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薬剤師×筋トレ×健康 ~現役薬剤師のすすめ~

中毒死殺人事件に使用されたオランザピンとは何か?

最近ニュースで流れている内容です。

 

東京都台東区で当時4歳の女の子が「エチレングリコール」「オランザピン」を摂取させられ殺害された事件についてです。(中毒死のようです)

 

今回使用されてしまった「オランザピン」は私たちの日本でも処方される薬であり、現在でもオランザピンを服用して治療をされている方が多くいます。

中毒死という内容からオランザピンに対して不安に感じる方も多くいると思われるので、筋トレの発信がメインの私ではありますが現役薬剤師として今回の内容に触れていきたいと思います。

 

1.オランザピンとは

先発品では「ジプレキサ」という商品になります。

一般的には

統合失調症

抑うつ、そう状態

・化学療法(いわゆる抗がん剤治療)における吐き気治療

などに使用されます。

 

気持ちを落ち着かせる効果もあるため、気持ちが昂る方やそれらが原因で眠れない方への睡眠導入に使われるケースもあります。

 

2.危険な薬剤なのか

過剰な不安や気分を落ち着ける効果があるため、それに伴い眠気が起こるケースが一番起こりうる副作用になります。

実際の現場では、使える用量の幅があるため副作用が出ない量で、かつ症状も十分に安定するように専門家の手で調節が行われます。

頻度の少ない副作用になりますが、高血糖症状が出るケースも稀にあるので、糖尿病の既往がある方には使われません。(どうしても使われるケースもあるのですが、その時は血液検査の結果で高血糖症状のリスクが低いと判断された時のみでしょう)

 

薬の成分自体が体に合わないという方を除いて、しっかりとした用法用量であればリスクは低い薬剤であると感じています。

 

3.私が今回の事件で感じたこと

今回の事件は過量服用による中毒死でしたが、オランザピンという薬剤は現在も多くの方が治療のため服用している薬です。このニュースを見て不安に感じ、服薬を中断してしまい症状が悪化したケースも友人の医療機関では起こったそうです。

 

今後も薬に関するニュースを目にすること多くあるかと思いますが、自分で判断ではなく

まずはかかりつけの医療機関に相談してください

ネットの情報だけでの判断は絶対にしないようにお願いします。

 

以上、薬の間違った服用だけでなくネット情報の2次被害が恐ろしいと感じた件でした。